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保身だって?身の安全を保つことだよな。
自分の地位や名声、安穏を失うまいと身を処すること…この俺がこの学園で保身に走る必要はない。俺の一挙一動に羨望の眼差しが向けられる…少々うんざりするくらいに。
「自信ないんだ。いいよ、いいよ。邦親がフラレることもある…だよな、うん」
そこまで煽られたら、やるしかない。
「どれくらい付き合ったらいいんだ?」
「へぇ~今度は成功前提」
「当然」
「悪評が立たない程度でいいんじゃない?」
「短くたって、俺に悪評は立たない」
「まあね、絶対多数がこっち側」
放課後の廊下で向き合って周りに聞こえないように話す俺達の側を、たくさんの生徒が通り過ぎて行く。
「バイバイ、三井クン、清川クン」
「「バイバ〜イ」」
クラスメイトに二人で軽〜く応えると、その横を西名紗友美が歩いて行った。
彼女はカラーリングにハイライトがとても自然な髪なのかもしれないが、いつもひとつに束ねている。そう、ポニーテールと言えない感じで束ねている。他のカラーリングした生徒は単色かメッシュを入れている者が多いから、彼女の髪は大人っぽく見える…かもしれない。
と、告白すると決めたからには西名紗友美のいいところを探した。頭はいい。顔も可愛い方だと思う。でも髪の束ね方とお洒落と言えないメガネからダサ子寄りでもあるか?いや、可愛い方が上回ってるはず。
よし、ちょーっとお楽しみタイムだ。
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