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“なんで三井クンに上から?”
“ってか、アノ子ってダサいんだけど…なんで?”
“うちの方が可愛いよね”
女子生徒の声に混じって
“西名さん、結構可愛いし”
“隠れファンがいるんだろ?”
“聞いた、聞いた。媚びない感じで声まで可愛いのがいいんだよ”
“ファンってお前かっ”
男子生徒の盛り上がりも聞こえる。西名さんにも聞こえているはずなのに…彼女の俺を見る視線は揺れず、眉も頬もぴくりとも動かなかった。やっぱり何にも興味ないか?
「めちゃくちゃ見つめ合ってるね」
直季の軽い声が近づいて来た時、どこからか微かに
“ァー”
と聞こえた気がしたが、ギャラリーが多いからか…って
「はっ?おいっ、どこ行く?」
西名さんがスカートを大きく揺らして校門の外へとダッシュした。
「汚い手を放しなさいっ」
オイオイオイ…おいおいおいおい…マジかよ…
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