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「ご希望は?」
「あ…あ…あ…っと…もう絶対に来ないで。現れないでっ…触らないでっ…」
「だって。お約束出来る?お名前、聞いておこうかな?永中の誰?…って、諦め悪いよね」
「って…えぇ…」
「当然。ここで骨が折れても、正当防衛って証言する人がいっぱいだよ?名前」
暴れた一人の腕を背中でさらにキツくキメると
「手首、かたいね…簡単に折れそ…」
西名さんは楽しそうに二人の僅かに後ろから言った。
「山田…コウスケ」
「…田中ゴロウ」
ボボボボッ…ドドドッ…
低いバイクのエンジン音が近づいてきたので、二人の声は何とか聞き取れるくらいだ。
「サユ、遅いと思って来てみたら何?」
大型バイクから下ろした足が余裕でアスファルトに着く長身の男が、フルフェイスのシールドを上げて西名さんに声を掛けた。
「ヮォ!イケメン過ぎ」
直季だけでなくギャラリーもざわつくイイ男の登場に
「ちょうどいいわ、この二人の写真撮ってよ。山田と田中だって。照会するから」
平然と言った美少女は
「ウソだったら、どこまでヤッていい?」
イイ男に向かってコテンと首を傾げた。
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