1人が本棚に入れています
本棚に追加
いつもよりもきん張した様子の子供達は担任の青山先生の話を一所けん命聞いていた。教科書を音読したり、積極的に質問に答えたり、全ての子供が授業に集中していた。蓮太以外は。
授業が開始されて15分ほど経った頃だった、バタバタとスリッパの音が廊下を鳴りひびいた。やっと蓮太の母親がやって来たのである。しかし、他の父兄がきちんとした身なりで来ている中、蓮太の母はかみを振り乱して、ジャージのようなものを着て現れた。そして顔色は悪く、青白い顔色をしていた。授業参観であることを忘れて、遅れて思い出した・・・そのような風ぼうであった。
みちよはおどろいてしまった。いつもは容姿もキチンとしていて人並み以上に外見のことを気にする蓮太の母親のあまりの変わりようである。コレは何かある。みちよは手を合わせて祈りのポーズを取り、静かに祈った。
「大天使ジュアン様、蓮太のお母さんの様子がおかしいの。どうか見てください」
すると突然、バサっと羽音がして白い羽根がみちよの目の前に現れた。
周りには見えていない。みちよだけの秘密。
「どうした?なにかあったのか?」
最初のコメントを投稿しよう!