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「でも行きたくないって言うからさ」
少し間をおいて、麻耶が翔哉を見上げた。
「今朝ね……夢を見たの」
「夢? 予知夢?」
ふっと鼻で嗤われた。
「予知夢なんて存在しないよ。夢は前日に見たものや考えたことが形を変えて脳が見せる映像だから」
「でも、見たんだろ。意味深な夢」
麻耶がその夢に意味を見出したには違いない。だからわざわざ口にしたのだ。
「まあ……意味があると思えば意味があるんだと思う」
思案するように、柔らかな下唇に指を添える。
「死んだばあちゃんが出てきたのよね。小学校のころの夢でね」
彼女の話ではこうだ……
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