彼女がいるのに双子の姉に恋愛感情を抱いている僕はダメ人間なのだろうか?

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「おーい消灯時間だぞ、早く寝ろー。」 見回りの先生の大きくて低い声が聞こえる。僕と友人3人はさっきまでトランプでババ抜きをしていたが先生の声を聞くなり電気をさっと消し慌てて布団に入る。仮に先生に起きている所を見られたら明日の最終日を十分に楽しむことができなくなる可能性がある。 今日は楽しかった。南禅寺で狩野永徳の図屏風を見たり、産寧坂に行ったり(転んだ)、京都の定番中の定番清水寺にも行った。今は友だちと遊んだり話したりするより今日の思い出を振り返る方が最適だろう。そう思った矢先 「安藤、北村俺ら女子の部屋行ってくるは。」 友人の1人がそう口を挟み部屋を出て行く、もう1人の友人も着いていき部屋を出ていく。僕の考えと彼らの考えは180度違っていたようだ。女子部屋に行くのか?見つかったらこっぴどく叱られるはずだ。やめておいた方がいい。しかし、そう言ってもおそらく何も変わらないだろう。 「おーい風馬今から恋バナすっぞー。」 「勝手に決めないでよ。ヤだよ。」 「あーそんなに俺と恋バナしたいのか。」 「そんなこと言ってないよ。耳ついてるの?」 隣の布団で横になっている友人北村謙一は僕の言葉に聞く耳をもたず勝手に恋バナ参加を決める。彼はとても優しくいい性格だが勝手に物事を決める所が難点だ。僕は乗り気ではない。 「まーいいじゃん、やろうよ、もしかしたら俺ら高校違くなるかもしれないじゃん。もう二度とできないかもよ…。」 「…………たしかに。」 上手く口車に乗せられてしまう。まあ、そう考えるとそうだよな。思い出作りの意味を込めやることにした。 「よっし!じゃあさっそくやろう、好きな人はだ~れ?」 謙一は質問をする。ちなみに僕は彼の好きな人を知っている。……………………………好きな人は言えない。言うことができない。もし言ったら引かれてしまうかもしれない、やばい人と思われてしまうかもしれない。しかし、これはいい機会なのかもしれない、衝撃の告白ができるいい機会。ボクにはそう感じた。 僕は急に立ち上がる。謙一は僕の行動に驚いたのかギョットとしたような顔で見つめる。 「好きな人は真保だよ。」 言った。言った。言った。僕は今まで誰にも伝えたことのない事実を伝えた。謙一は、は?と思っているときなような顔をしていた。 「君舐めてるのかな?真保ってお前の姉ちゃんじゃん。今は恋愛的な好きな人を聞いてるの!」 「好きなんだよ。恋愛的に。」 「え?」
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