言えない秘密

1/4
3167人が本棚に入れています
本棚に追加
/194ページ

言えない秘密

「あかり!久しぶり! わあ、星來(せいら)ちゃん大っきくなったね」  先にファミレスに入って笑顔で手を振ってくれるのは、親友の天王寺(てんのうじ)妃乃(きの)。  変わらない元気な姿に私も笑顔になり、娘の星來(せいら)の手を引いて妃乃の元に向かう。 「久しぶり、妃乃。ほら星來、妃乃お姉ちゃんに、こんにちはして?」 「こんにちわ」 「こんにちは!ご挨拶できていい子だね〜」  妃乃はデレっとした満面の笑みで星來の頭を撫でてくれる。  そんな妃乃のお腹は大きく膨らんでいた。 「だいぶお腹大きくなったね」 「そうなの。一応来月が予定日なんだ」 「そんな時に会って大丈夫?」 「ちょっとくらい大丈夫だよ!引きこもってばかりじゃ体に悪いしさ。 あかり、先輩ママとして色々教えてね!」 「うん、任せて」  妃乃の子どもが無事に産まれて一緒に遊べるようになったら、お互い子連れで遊ぼうね、なんて今から話し合っている。  聞けば妃乃のところも女の子なのだそう。 「星來、妃乃ちゃんね、もうすぐ赤ちゃんが生まれるの」 「あかたん?」 「そう!楽しみだね」 「たのしみ!せいら、あかたんだっこする!」 「え〜星來ちゃん抱っこしてくれるの?嬉しいなぁ」
/194ページ

最初のコメントを投稿しよう!