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妃乃からチケットを受け取り(今は電子チケットで分配も簡単らしい)、両親の元に星來を預けて緊張した面持ちで会場に向かった。
久々に見る日華さんの舞台、生の演技。
映像もすごいけど、元々は舞台から始めた日華さんは舞台でしか見られないお芝居がある。
楽しみで仕方なくて、ずっとソワソワしてしまった。
ブーーーーというブザーとともに幕が上がる。
舞台は中世ヨーロッパ。日華さんが演じるのは、ある貴族の長男で跡取りとなるダリ3世。
ダリには大きな夢があり、世界中を旅してこの目で世界を見る冒険家を志していた。
跡取りである彼が冒険家になるなど、父は絶対に許さなかった。父は病を患い、長くはなく早くダリに一人前になって欲しかった。
自らの夢と愛する家族の間に立たされた青年の、苦悩と葛藤を描いた作品だ。
冒頭から引き込まれて、一瞬でも目が離せない。
恵まれた身分に生まれ、何不自由なく生活してきたダリが貧富の差に疑問を呈する。
ダリは自分の見てきた世界がどれだけ狭かったのか、気づかされるのだ。
準主役で後のダリの相棒となる冒険家・ユスフと出会ったことで、世界への憧れを抱くダリ。
ダリの繊細な感情表現まで見事に演じる日華さんに、自然と涙していた。
私が憧れた、魅了され続けた役者・陽生日華が壇上にいた。
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