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まさか星來、気づいていたなんて……!
子どもの観察力は侮れないものだ。
「あ、やっぱり?私もそうだと思ってたよ」
「えっ!?」
「だって陽生日華が出るとあかり、めっちゃガン見してるから」
「そ、そうなの?」
「気づいてなかったんだ。だからファンなんだろうな〜って」
「……。」
……恥ずかしい。
まさかバレバレだったなんて。
「隠さなくてもいいのに。今は推し活が当たり前なんでしょ?」
「私はそんなコアなファンじゃないから…」
「そうなの?でもいいよねー。
この人今でこそ正統派のイケメン俳優って言われてるけど、昔は猟奇的な殺人鬼役とかやってたんでしょ。演技派だよね」
「そうね…」
演技力を褒めてもらえた嬉しさを隠すことに、必死だった。
絶対ににやけないように頬の筋肉に力を入れる。
「――っと、そろそろ帰ろうかな。旦那が車で迎えに来てくれるんだけど、あかりと星來ちゃんも乗っていかない?」
「え、いいの?」
「うん、ついでに頼んでみる」
「なんか申し訳ないな……」
「旦那の気が早くて既にチャイルドシートもあるから」
「ありがとう。助かる」
お言葉に甘えて一緒に乗せてもらうことにした。
迎えに来てくれた旦那さんは妃乃の結婚式の時にお会いしてるけど、私服姿でも超イケメンだった。
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