とつげき! 我らふしぎ俱楽部!

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 勇気は堂々とした態度でそう宣言した。ムボーというあだ名の通り計画性がなく、こうと思ったら突っ走ってしまう性格で、ゲームやスポーツでのその突撃っぷりから、切り込み隊長、ミニゴリ(背が低く、ゴリ押しで向かっていくため)とも呼ばれている。 「タミーは?」 「ボクも全然。ベンちゃんはあと、自由研究だけだって」  民雄のあだ名であるタミーは、民雄の民と、某おもちゃ会社の名前とかけて付けられた。民ちゃんと呼ぶ子も中にはいる。 「ちぇ、自分だけぬけがけかよ」 「おーい、原田くん来てるぞ」  地下の入り口から、父の太一の呼ぶ声が聞こえてきた。 「はいよ~」  勇気は大きな声でこれに答える。二人はゲームを中断し、一階へと続く階段を上がっていった。 「よう、遅かったな」  玄関まで迎えに行くと、汗だくで両脇に袋を引っ提げ、リュックを背負った細身の少年が立っていた。  彼の名前は原田勉。勇気たちと同じクラスで、その名の示す通りの勉強家のため、ガリベン、ベンさんなんて、みんなからは呼ばれている。
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