とつげき! 我らふしぎ俱楽部!

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 と同時に、担任の木村先生の思いつきで、グループで調べた事柄をプレゼン方式で発表する事になり、お勉強としての側面を強くしたい先生の思惑が目に見えていた。 「キムのやつ、感じ悪いんだよなぁ」  その案に反対したクラスの問題児の一人、勇気は不満をもらした。 「自由だから自由研究なんだろ」 「だよね、ただでさえ宿題多いのに」  相づちを打ちながら、民雄が同意する。 「君のせいもあるんじゃ無いの」  勉だけは、木村先生の肩を持った。  勇気が去年の自由研究で、ロケット花火の軌道実験と称し、同級生に向かってロケット花火を撃ちまくったのが、今回のグループ研究の一因とも言えるのは否定できなかった。 「それよりどうしようか。何でも良いって言われると、迷っちゃうね」  民雄が小さな声でつぶやいた。 「だから、色々と探して借りてきたんだ」  そう言うと、紙袋から図書館から借りてきた本を出し始めた。府中の歴史や動植物図鑑、偉人伝など、様々な種類の本が二十冊近く、机の上に並べられた。 「うへえ、よくこの暑い中、持ってきたなぁ」
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