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僕は、そばの公衆電話から彼女のアパートに電話を入れた。
初めて彼女に掛ける電話に緊張した。
深夜なので電話口ですぐさま僕が名乗ると、いつも通りのエイミーの優しい声がした。
途端に電話の向こうが急ににぎやかになる。
「エイミー、誰? 誰?」
そういう女性の声がしたが、その他にも男女の笑い声が聞こえた。
エイミーが僕の名を告げると、なおにぎわいが増す。
今度は、僕が訊いた。
「誰が来てるの?」
彼女は、サークルの先輩たちが遊びに来ているといった。
僕はその夜彼女のアパートに皆で行く約束があったことを知らなかったし、そもそも知らされていなかった。それで僕は少なからずショックを受けた。
サークルのメンバーのほとんどが僕の彼女にたいする恋心を知っていて、この扱いだったため、メンバーへの不信感を一気に強くした。
エイミーは、今そこにいるメンバーの名前を五人ほど上げた。
リーダーはいないようだったが、そのうちの一人があの門倉だった。
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