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やっと終わった。
外はすっかり薄暗くなっていた。
俺の両手には持ちきれなほどのショップの紙袋がさげられている。
しかも、全て俺の金で買ったもの。
これは償いだ。
「今回のことはこれで許してあげる。私って優しいでしょ?」
「そうだな。」
「でも、次したら許さないから。」
「分かってる。」
麗奈は鬼の形相で俺を睨みつけた。
彼女と付き合って4年になるが、俺のミスで初めて浮気がバレてしまった。
それまで幾度となく浮気をしてきたが、なぜ、今回はバレたのだろう?
麗奈には今回が初犯だと嘘をついた。
これは俺の優しさだ。
といえば聞こえはいいが、俺がクズなだけだ。
そのことを自覚しているからまだましだろう。
麗奈のことは好きだ。
だが、それだけでは俺の心は満たされない。
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