ユキと斗和

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手足の肉付きが増し、時たま天使のように笑う斗和は、我が家のアイドル的な存在だ。 特にレグルシュは、千歳が声をかけなければ、何時間も斗和の側にいてずっと見つめていたりする。 斗和の額に手のひらを置いてその上にキスを施すと、名残惜しい表情を残し料理の支度に取りかかった。 千歳も手伝おうとキッチンのほうへ向かう。 「何か手伝いましょうか?」 「千歳は休んでいてくれ。料理はほとんど仕込んでおいたから、後は仕上げだけだ」 「でも」 テーブルでは義姉夫妻が人数分の皿と箸を並べている。 レグルシュに促され、千歳はそちらを手伝おうとしたところ、ユキがとことことキッチンまでやって来た。 「何だ、つまみ食いでもしに来たか?」 「ユキもお手伝いする!」 レグルシュは「いらん」と断ると、ユキは地団駄を踏んだ。 せっかくやる気になっているのにかわいそうだ。 千歳は顔にくしゃっと皺をつくっているユキを抱き上げ、洗い場で手を洗わせてやる。 「サラダだけ先に出しますね。後はお願いしていいですか?」 「……ああ。頼む」 レグルシュがバレットの中で冷やし固めていたクリームコロッケを揚げているうちに、千歳とユキはサラダの盛りつけを手伝うことにした。
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