はじめまして

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はじめまして

48aecaf7-404d-4399-9704-b2a547b09da4 ──こんにちは。はじめまして。 病院の一室で、周防(すおう) 千歳(ちとせ)は伏せたまま、傍らで眠る我が子に声をかけた。 産まれたばかりの赤ちゃんは白いふかふかのシーツに包まって、すやすやと安らかに眠っている。 可愛い寝姿をずっと見つめていると、ふいに病室のドアを叩く音がした。 「失礼します」と看護師が入室する。 体温と血圧、体調のことを問診され、千歳はまだ少し術後の痛みが残ることを話した。 看護師が退室したのち、すぐに主治医を伴って現れ、経管から鎮痛剤が投与される。 「食事を摂ったら、少し眠ってもいいですか」 看護師と主治医は「もちろん」と、笑顔で答えてくれる。 そして、出ていく二人とはち合わせるようにして、長身の男が病室のドアを勢いよく開けた。 「千歳っ!!」 「レグ……っ?」 ブロンドの髪を振り乱しながら、レグルシュがベッド横に駆け寄る。 ここまで急いできたのか、顔は興奮で赤くなっているし、息も切れている。 「大丈夫か!? 身体は」 「だ、大丈夫だよ。すごい汗だね……走ってきたのっ?」 「あ、ああ……悪い。出先で連絡を取れなかった」 きっとこの病室までレグルシュは突っ走って来たのだろう。 千歳が困ったような顔をすると、レグルシュはばつが悪そうに頭をかいた。
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