幼なじみの告白

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「えっと。それじゃあ朝から今まで私、ずっとここで寝てたってこと……?」 コクっと頷いた朔に、サッと全身から血の気が引いていく。 私、そんなに長い間グッスリだったの? どうしよう、授業が……! 「ちなみに担任はそのこと知ってるから、心配しなくても大丈夫」 「そっか」 朔の言葉に、ほっとする。 「今日の授業のノートも、良かったら貸すけど」 「あっ、ありがとう」 そういえば私、いま朔と普通に話せてる。 「顔色もすっかり良くなったみたいだし。もう大丈夫かしら?」 「はい。寝たら、スッキリしました。ありがとうございました」 「それじゃあ先生は、職員室に行かないといけないから。あなたたちも早く家に帰りなさいね」 そう言って先生は、保健室を出て行った。 シーンと静まり返る保健室。 他に生徒はいないらしく、保健室は今私と朔のふたりだけだ。 朔とふたりきりになった途端、私に緊張が走る。 さっきまで普通に話せていたのに……。朔とふたりきりだって意識した途端、ダメだ。
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