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どちらも話すことなく、しばらく沈黙が続く。
どうしよう。何か話さなきゃ。
「「あっ、あの……っ」」
朔と私の言葉が重なってしまった。
「さっ、朔からどうぞ?」
「えっと、その……もう体調のほうは大丈夫か?」
「うっ、うん。大丈夫」
保健室のベッドで、上半身を起こしたまま答える私。
「そっか、良かった。いきなり千紗が倒れて俺、めちゃくちゃ心配した。もし千紗に何かあったら俺、どうしようかと思った」
朔、そんなに私のことを心配してくれてたんだ。
「心配かけてごめんね? ありがとう。あっ! そういえば朔、部活は!?」
「休んだ」
「ええ、大丈夫だったの!? ごめん、私のせいで」
「良いよ。部活よりも、千紗のほうが大事だし」
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