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「えっ、と」
やっぱり私は、まだ夢を見ているの?
だって、こんなこと……。
「いきなりこんなことを言っても、信じてもらえないかもしれないけど。この前話した花占いも……千紗、お前のことを想ってやったんだ」
朔の頬が、ほんのりと赤らむ。
「千紗が教室で花占いをやってて、好きな人がいるんだって知ってからは、この想いはこのまま心に秘めておこうかとも思ったんだけど……」
そう言って朔が取り出したのは、ラッピングされた3本の白いマーガレット。
「この花、お見舞いでさっき学校近くの花屋で買ってきた。改めて、俺は千紗が好きだ」
真剣な声音が、耳元に響く。
どうしよう。こんなことってあるんだ。
朔と私が、両想いだなんて。
私は、口元を両手で押さえる。
「……っう」
朔の気持ちがとても嬉しくて、胸がじんと熱くなる。
私の目からは、涙が溢れ出てきた。
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