184人が本棚に入れています
本棚に追加
「どっ、どうした? 千紗。やっぱり俺が告白して、お前を困らせてしまった!?」
朔が珍しくオロオロとする。
「ううん、違うの。嬉しくって」
「嬉しい?」
「うん。私もね、ずっとずっと朔のことが好きだったから」
ようやく伝えられた、私の気持ち。
「だから、私たち両想いだね」
「ほんとに?」
「うん。私が教室で花占いをしていたのも、朔の気持ちが知りたくてやったの」
「そう、だったんだ。俺たち、お互いに好きだったんだな」
朔が、ふわりと微笑む。
まさか、お互いが他に好きな人がいるって思いこんでいたなんて。
「なぁ。隣、座って良い?」
朔が保健室のベッドの縁に座り、一気に縮まったふたりの距離にドキドキする。
「昨日はほんとごめんな? もしかして、家でもこんなふうに泣かせてしまった?」
「……実は」
「ごめん。もう千紗のこと、絶対泣かせたりしねぇから」
朔が私の目元の涙を、指で優しく拭ってくれる。
最初のコメントを投稿しよう!