プロローグ

1/1
前へ
/209ページ
次へ

プロローグ

*◇◇◇*◇◇◇*◇◇◇*◇◇◇*◇◇◇* 「目を開けて……」  わたしの顔の横に手をついて、真上から言葉をこぼす彼。  欲望を隠さない獣のような目が、わたしをまっすぐ捉えている。 「俺だけを感じて、他の事はなにも考えないで」 「……うん、ああぁっ」  うねるように腰を使いながら、顔に首筋に鎖骨にキスの雨を降らせてくる。    それでも足りない。  欲望が際限なくあふれてくる。  もっとキスしてほしい。  もっと触れてほしい。  彼に言われなくても、もう他のことは何も考えられない。  この人が好き。  その想いもとめどなく沸き上がってくる。  これが、愛し合うということなんだ。  何を怖がっていたんだろう。  どうして自分はふさわしくないと思っていたんだろう。  わたしには、この人しかいない。    彼ははじめから、そう教えてくれていたのに。 *◇◇◇*◇◇◇*◇◇◇*◇◇◇*◇◇◇*  
/209ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6652人が本棚に入れています
本棚に追加