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「ああ、後でなんとでも言ってごまかすから」
それができるのなら、最初から偽恋人なんて立てる必要なかったんじゃないのかな、と思ったけれど。
いや、わたしだって、いつばれるかとひやひやしながらご両親と対面するよりも、彼とデートするほうが何百倍も嬉しい。
この人と二人きりで休日を過ごせるなんて、本当に夢のようだし。
外見も中身も、これほど素敵な人に会ったのは初めてだ。
大人で、余裕があって、色っぽくて、茶目っ気もあって。
しかもとても純粋な考えの持ち主で。
もう、はっきり言って、わたしの男性の好みのストライクゾーン、ど真ん中。
いや、内田さんを前にすれば、大方の世の女性は同じように思うはず。
こんな人が現実に存在しているなんて、まだ信じられない。
今朝、彼の部屋で目覚めたときからずっと、わたしはその魅力にあてられっぱなしだ。
でも!
なんといっても、彼は規格外の御曹司。
さっきの買物ぶりから見ても、自分とは完全に別世界の人だ。
この人を本気で好きになってしまったら、それこそ大惨事。
勝也さんのときの比じゃない。
どう転んでも、わたしがこの人に釣り合うわけがない。
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