第4章 再会の日は雨

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***  それから一週間ほど経ち、東京は平年より少し早く梅雨に入った。    今朝もどんよりと曇っていて、いつ雨が降ってきてもおかしくない典型的な梅雨空だった。  空気がまとわりつくように重く、目覚めたときから頭がずきずき痛んでいた。  薬を飲んでもあまり効かず、一日中、体調は戻らなかった。  そのせいもあって、仕事がはかどらず残業になってしまい、オフィスを出るのが、普段よりだいぶ遅くなった。 「お疲れ様です」  九時を回ったころ、もうひとりの残業組だった営業の同僚に挨拶して、わたしはオフィスを後にした。  エレベーターで1階エントランスに降りると、外は土砂降り。  折り畳み傘は持っていたけど、これでは駅につくまでにびしょ濡れになりそうだ。  バッグからスマホを取り出し、雨雲の動きをチェックすると、10分ほど待てば小やみになりそうだったので、しばらくロビーで待つことにした。  ドア横で、暇つぶしにスマホを見ているとエレベーターが到着し、誰かがこちらにやってくる足音が聞こえてきた。
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