第4章 再会の日は雨

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「まったく気にする必要はない。実に良いタイミングだったんだよ。きみに話があったから。明日、第一営業部を訪ねようかと思っていた」 「へっ?」 なんだろう。話って。  玄関を出ると、車寄せにはすでにベンツが停まっていた。  例のごとく運転手さんがさっと降りてきて、後方のドアを開けてくれる。  後部座席に乗りこむなり、わたしは彼に尋ねた。 「あの、それで、話ってなんですか?」  わたしの警戒心を察した彼はふっと笑った。 「はは、引き続き、きみを口説きたいところなんだけど、今、したいのは仕事の話。用事があるなら日を改めてもいいが」 「いえ、大丈夫ですけれど。仕事……のことですか?」  会社顧問が平の営業事務のわたしに、なんの話があるというんだろう。  めちゃくちゃ気になるんだけど。 「ああ。ところで食事は済んだ?」 「いえ。まだです」 「俺もまだ。じゃあ、飯を食いながら、ということにしないか」 「はい」  わたしの返事に笑顔で答えると、彼は運転手さんに行先を告げた。  
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