第4章 再会の日は雨

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 車は雨の街を走り出した。  濡れた道路にテールランプの赤が映って、とても綺麗。  ワイパーが激しく動いているのに、フロントガラスはすぐに雨粒でいっぱいになっていた。  また、彼に助けられてしまった。  こんな、横殴りの雨のなかを歩いて電車に乗ったら、迷惑なほど濡れてしまったに違いない。  それにしても……  今、内田さんの隣に座っているんだよね。  あまりに唐突な再会に、なかなか実感がわいてこない。  けれど、ひと月近くも会っていなかったのに、まるで昨日別れたばかりのような気がしている。  どうしてこんなに、すぐに馴染んでしまうのだろう。この人とは。 「で、仕事のお話というのはどんなことですか?」  彼はまあまあ、そう焦らないでと、なかなか教えてくれない。 「あのときは5月だったよね。じゃあひと月ぐらい前か。きみと出会ったのは」 「そうですね」 「もっと会えなかった気がするよ。実はきみと別れた翌日からヨーロッパに1週間、出張に行っていて、帰国後もバタバタしていたから」 「はあ、そうだったんですね」  内田さんは隣の席から流し目を送ってくる。 「本当はもっと早く、きみに会いに来たかったんだけど」  そう言われて、内心、嬉しさがこみあげてきた。  内田さん、わたしのこと、忘れていた訳じゃなかったんだ。
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