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その頃、貴島組の屋敷に行く前に、忍夢、結翔、玲音のランドセルを取りに行く様に伝えた煌大。
『貴島組の屋敷に来い』と言い残し、一足先に龍太郎と一緒に貴島組の屋敷の前に、マウンテンバイクを置いた。
「百合、帰った」
煌大が百合と呼ぶのは、煌大の曾祖母の貴島百合の事だ。
靴を脱いで揃えた後、仏壇がある部屋に入り、仏壇に貴島玲から受け取った紙袋から手作りクッキーを取り出し、供えてから、手を合わした。
そこに現れたのは、貴島百合。
「おやついる?」
「蝶から手作りクッキーをもらった」
「なら、ジュースを持ってくるわ」
「茶の方を頼む」
「はいはい」
貴島百合はキッチンへと向かうと、立て掛けてある座卓を、仏壇の部屋の真ん中に煌大と龍太郎とで置いた。
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