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煌大が街に単独行動で出る事を知っているのは、大和、涼、武、そして貴島煌弥、父親である貴島煌牙の5人。
大きな門の脇には小さなドア。
これは、貴島煌弥と貴島煌牙からの小学校の入学祝い。
カードキーも貰い、煌大は大切に使っている。
そのドアから、煌蓮総本部を出て思った。
誰も気づかなくても、貴島煌弥は勘づいていると。
勘づいていても、話さないのは貴島煌弥の優しさ。
漢と漢の暗黙の約束。
花屋で百合の花束を買い、それを持ってある場所に来た煌大は、階段を上がる。
敷地内に入り、綺麗に掃除をして、花束も備えた。
考えや悩みで高いかべにぶつかれば、必ず来る。
『煌大、自分の考えが他人とは違う事もある。だがな、それを聞いたからと言って否定だけはするな』
『どうして?』
『それぞれが胸の中に強い信念持って産まれているからだ。それに気づくか気づかないかは、煌大自身だがな』
大好きだった……
心から尊敬していた……
墓石の掃除をして、線香に火をつけ、線香立てに挿してから、焼香をし、亡き貴島忍に小さな声で話しをする。
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