端午の節句

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忍夢(しのむ)結翔(ゆいと)玲音(れおん)、まずは、簡単なコースで千本桜をマスターしろ。毎日宿題を終わらせてから夕方までな。俺と龍太郎は晩飯を食べた後、千本桜の鬼コースをマスターして、太鼓の叩く感覚を覚える」 今までは楽譜がなかった。 音楽に合わせて、タイミング良く叩いていただけだった。 だが、これからは太鼓の叩くタイミングさえ身体で覚えれば最高の和太鼓演奏になると思っているのは、貴島真琴(きじま まこと)。 現在、刃流学園の副理事長を務める貴島真琴(きじま まこと)は、我が子である忍夢(しのむ)を含め煌大達にも、色褪せない思い出を作って欲しいと願っている。 「花子、恩に着る」 感謝の言葉を『ありがとう』ではなく『恩に着る』と言った煌大は、亡き曽祖父である貴島忍(きじま しのぶ)の口癖を真似してしているのだ。 それは貴島忍(きじま しのぶ)が生きている時からだった。
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