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来世は、おっぱいの上に乗るパン屑になりたかった親友
「俺は生まれ変わったら、おっぱいの上にのっかるパン屑になりたいんだ!だって、大きいおっぱいの上にしか乗らないらしいぜ?!幸せしかない!しかもあの位置気づかれにくいらしいぜ!」
キラキラした目で高校生男子がそんなことを語る。生まれ変わりって普通生き物じゃないの?パン屑なんて気づかれた瞬間廃棄だがそれでイイのか?と、突っ込みどころ満載の天然発言をクラスの真ん中で叫んでみんなを笑わせるやつだった。
女子の居ない男子校だったからこそ許された下ネタではあったけど、彼の纏う空気は心地好かった。事故はポンコツ神のせいで、尊は何一つ悪くない。それを俺自身が彼に伝えることも、神が介入して伝えたりすることもできないらしい。あいつは何も悪くないのに……イライラとつい声を荒げた。
「酷い間違いで人の人生を台無しにしておいて役立たず過ぎ!じゃあお前は、何ならできるんだよ!」
神がびくりと肩を震わせ、顔色を悪くしながらぼそぼそと小さな声で『記憶操作』と『転移、転生』と答えるが、どちらも神からの過干渉を防ぐため『一回』という制限つき。便利なようで不便なそれを最大限に利用して親友を助ける方法を、ちっぽけな俺の脳みそを総動員して出した結論は、元の世界から記憶操作で「俺」の存在を消すこと……
「記憶操作で俺を居なかったことにできるか?」
根本の俺が居なければ人身事故は起こらなかったことになるだろう。尊は奇跡の事故回避者になるだけだし、尊も弥平さんの家族だって人が死ななければそこまで困ることも罪の意識を感じることもないだろうと考えたからだ。
「出来る。」
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