マッチョキングとの遭遇

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マッチョキングとの遭遇

 声をかけられ見上げると、ぐいっと目の前にとんでもない質量が(そび)えていた。今までのマッチョも凄かったけど、馬?馬並みってこういうのを言うのか?馬の見たことないけど、身体もだけどマッチョキングだな……俺は、このマッチョキングに不審者ではないと理解してもらわねばならない。牢屋とか入れられてしまったら困るし、ごくりと唾を飲み込んで勇気を出してマッチョキングに話しかける。 「俺、あの……」  見上げながらマッチョキングの迫力で言葉につまる俺。突然頭から上半身まで隠れるほどのでかいタオルをかけられ、片手で俺をひょいと抱き上げらるマッチョキング。 「顔をあげるな。」  強い口調で短く俺に告げるとマッチョが俺の頭を雄っぱいに押し付けてくる、固いけどちょい弾力のある不思議な触り心地だ。石鹸かな?いいにおいするな……と、思わず押し付けられた胸元ですんすんにおいを嗅いでしまう。  息を飲む声が上から聞こえた。あ?!変態だと思われたか……でもなんか気になる香りなんだよな。ハッと、俺を抱っこするこの男が全裸で臨戦態勢だったことを思いだし身動ぎするが、すぐに動きはマッチョキングに制される。 「落ちるからじっとしていろ。」  この股間臨戦態勢全裸男、風呂はともかく今は廊下移動しているんじゃないの?()()()()で?流石に治まったのか?でも全裸だよね?思考を散らかしながら悩んでいるうちに、見知らぬ部屋のソファーに座らされようとしていた。濡れたままでソファーはちょっと汚しそうだしと躊躇したら、何故か目を大きく見開いて俺を見て止まったマッチョキングがため息をつきながら魔法をかけてあっという間に乾かした。  何故か俺の真横に陣取ったマッチョキング改め騎士団長ヘンドリックの質問に次々に答えていく。神の事とフルネームはこの世界での扱いがわからないので極力伏せておいたが……
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