体格差と食事量

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体格差と食事量

 チリンと鳴らして、呼ぶとヘンドリックも一緒にいた。俺を見て目を丸くして顔をおさえた彼を、オリヴァーさんがつねっていた。主従とはいえ、力関係は見えた気がした。  オリヴァーさん先導で、俺の横にヘンドリックという状況で食事に向かう。歩き出すとふわんとした短パンの中で、俺のそんなに大きくない息子氏が所在なさげにうろちょろ主張するのが落ち着かない。平静を保っているつもりだったけど、何かを感じ取ったオリヴァーさんが足をとめて様子を伺ってくる。  隠し通したかったけど、有無を言わさぬという迫力に負けてしまい、恥ずかしい現状を包み隠さず話すことになった。話終えるとヘンドリックが目を見開いて俺の短パンを見つめて、その後凄い勢いで蹲った。大丈夫かと近付こうとするとオリヴァーさんに制され、こそっと耳打ちされる。 「そのまま駆け寄るとチヒロ様の大切なものが旦那様の顔面に……」  人様に股間をぶつけるわけにはいかない。今の俺はノーパンツなんだから不用意に近づくのはダメだ。そうしているうちにいつの間にか現れた紙袋をもったメイドさんに案内され、元の部屋に紙袋と共に戻される俺。渡された紙袋には、新品のパンツがあった……ただ、紐パン総レースの……これ女物では?誰にも聞くことができず四苦八苦しながら紐を結び、服を整えてベルを鳴らす。  食堂の椅子は大きくて、手伝うという手を断った俺は少し無理めな体勢で椅子に上がった、ズボンがひっかかり、危うく破けるところだった。食事は普通の洋食だけど量がもりもり過ぎて……半分に減らしてもらったものの食べ過ぎた感じがする。お残し許さない日本人気質が憎い。だが、彼から見るとあまりにも少食だと心配なようだ、お前には体格差見えないのか?席から立ち上がり腹を確認すると胃がぽこりと出ている。論より証拠か…… 「ほら、胃がこんなにぽこっと出ている。いつもより食べ過ぎくらいだ。」
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