3.りゅうじん様

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「お前の父さん母さんも好き嫌いで仕事してないだろ」 「え?」 「この国の、多くの人が自分の務めと誠実に向き合って、日々果たしている。立派だよ」  男は、何気ない物言いだったが、颯太は、父さんと母さんが褒められたように感じて嬉しかった。きっとこの人はいい人だ。  くすぐったそうに、にんまりとしている颯太の顔を見て、男はそっと颯太の肩に手を置く。 「龍神様、あんまり人が来ないから寂しがってるんだ。遊びにいってくれると喜ぶよ」 「うん!」 「ありがとう。じゃあ気を付けて行けな」 「うん!」  男は、じいちゃんとすれ違う格好で公園の中に入っていく。  じいちゃんが、困惑した様子で颯太に歩み寄った。 「颯太、お前、いま・・」 「神社こっちだって!」 颯太は元気にそう言って、先に階段を下りて行く。 「お、おう」  じいちゃんは、戸惑いながら颯太について行った。
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