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「お祖母ちゃんにも伝えなきゃ」
こちらの思いをよそに相手はスマートフォンを取り出している。
お前、それこそ真っ先にやれよ。たった一人の家族なんだから。
口には出せないままこちらがやきもきする。
ハルのお祖父ちゃんは年が明けてすぐに亡くなった。
一昨年の夏に一人娘である清海おばさんに事故で先立たれてから、見掛ける度に「弱る」というか「衰える」感じだった。
今ではあの古い家にはハルとお祖母ちゃんしか住んでいない。
――今日はお祖母ちゃんがパートだから。
そう言われて自分がここまで付き添ったのだ。無関係な人が見れば姉妹とでも思うだろうか。俺なんかチビだし、ハルの妹にすら見えるかもしれないな。
後数日で自分たちは十六歳になる。
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