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「お祖父ちゃんお祖母ちゃんも行けるなら公立がいいし、梅苑ならそこでいい成績取って推薦とか狙えばいいって」
振り向いたハルは何だか諦めたような笑いを浮かべていた。
角を曲がって、他のセーラー服や学ランの子たちの群れと分かれた所で秘かな声で付け加える。
「まあ、俺は橘高なんて端から無理だし、女でも蓮女には行けなかったよ」
蓮女は自分の通う女子高だが、橘高とはこの地域でもトップの男子高――紗奈ちゃんの彼氏である大河君の通う学校だ。
ふと去年の、といっても正確には四カ月と少し前のハロウィンパーティーでサンとアシタカの仮装をした二人が付き合っていると分かった時の胸の痛みが一瞬、蘇った。
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