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――カシャ、カシャ、ギィーッ。
骨と血管の浮かび出たお祖母ちゃんの手が鍵を開けてドアを開けると、五月の眩しい光と緑の匂いを含んだ微かに蒸し暑い空気が流れ込んできた。
「こんにちは」
エメラルドグリーンよりもう少し淡く優しい、若竹色とでも呼ぶべき色のゆったりした半袖Tシャツに黒が勝った藍色のジーンズを履いた美生子がポニーテールを揺らして笑う。
ゴールデンウィークも終わりに入った陽気の中を来たせいか、白桃じみた頬は微かに汗ばみ、体の線を覆うべく着たらしい大きめのTシャツから抗うように突き出た胸は静かに上下している。
「いらっしゃい」
自分の代わりにお祖母ちゃんのいつの間にか少し嗄れた声が答えた。
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