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「すっごく変わりましたね?」
――それ、凄くおかしいけど?
――あの子、下手だったけど辞めたんだ?
これはこのお嬢ちゃんが自分より下と見なした相手に対する時の顔と口調だと思い出しながら、こちらは飽くまで最初の友好的な笑顔を貼り付けたまま問い返す。
「そうですか?」
すると、相手の顔から皮肉な笑いすら消し飛んでギョロついた目が冷たく光った。
「おしゃれというより何か別な人に見せる変装みたい」
――ごまかすな。
――あんたなんか嫌い。
見掛けに比してまだ幼い声に込められた棘がフリルブラウスの胸を刺す。
「カナちゃんはずっと会ってないから」
大河はおっとりした声――彼にどうしても好意を持てない自分にすらこれを聞くと嫌でも育ちの良い人と分かる――でまだ中学生の従妹と大学デビューした同級生女子(としか彼にも見えていないであろう)に声を掛ける。
いや、お前だってあのハロウィンパーティの後は予備校の講習でたまに顔を合わせたくらいでずっと会ってないし、俺がこんなフリフリした服に化粧までして随分変わったと思ってるだろ。
庇われているはずなのに、そこに反発を覚えた。
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