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二人が並んで歩く道では街路樹の白木蓮が花を咲かせていた。
辛夷と白木蓮は良く似ている。人に例えれば、辛夷が妹、白木蓮が姉のように見える。
ただ、お姉さんは細い枝に白いチューリップじみた大きめの花が咲くのが妹と比べてもどうにもアンバランスに思える。
「白木蓮」という割には花びらも決して真っ白ではなくどこかクリームじみた色合いで、しかも根元がほんのりピンクに色付いている。
辛夷の花びらにおいてははっきりと赤紫の筋になっている部分が白木蓮だと水で薄めたような案配だ。
辛夷はさておき白木蓮はどうして実際の色彩に完全には当てはまらない名前を付けるのだろう。
見合わない名で呼んでも自然の花がその通りの色に変わってくれる訳じゃないのに。
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