ひとつ屋根の下、殺し愛

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 何度目かわからない子種を彼女の胎に蒔いて、リクヒトは苦笑する。  死ぬなら一緒がいいと言いながら、セツナの動きは生に、性に、溢れている。 「リクヒト! まだイっちゃダメよ! あたいまだイってない!」 「そ、そんなこと言ったって……ッく」 「――もう……っ!」  ぐいぐいっと腰を動かしてセツナは甘い声をあげる。吐精。リクヒトの身体がまた、軽くなる。  まるで精力を吸い取られてしまったかのようだ。けれどもその倦怠感が妙に心地よくて。  リクヒトはそのまま、彼女のナカに挿入った状態で意識を失っていた。    * * *  リクヒトが力尽きたのを横目に、セツナは苦笑する。  精力を奪いすぎた。  けれど我慢できなかったのだ。やっと彼に想いをぶつけられた。かなり一方的だったけれど。 「ご両親と藍屑に来たとき、当時十歳のリクヒトは雪女のあたいを怖がらずに一緒に遊んでくれたわよね」  リクヒトたちが泊まった部屋の隣室で老人が亡くなったのはセツナも知っている。だって彼女の夫となるひとが生け贄を必要としていたから。きっと従業員の誰かが山の神の命令で病気に見せかけて生命を奪ったのだ。
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