知識は生きる為の道の選択肢を増やす

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「今日は、それぞれが考えた映えるドリンクを作って貰う。前の席に居るヤツから、順番にドリンクの元を配るから喧嘩するなよ?」  講師はコップに氷を入れ、そこに紫色の液体と炭酸水を注いだ。そして、手本と言わんばかりに、ドリンクの上方だけを赤く変額させた後で、クーラーボックスに用意しておいたアイスを乗せ、チョコでコーティングされたお菓子を添える。 「まあ、こんな感じだな。アイスは一掬い迄だが、お菓子は沢山ゲームセンターで確保してきたから、落とさない量なら好きに乗せて良い。欲張って落としたら、全て没収だ」  その話に、子供達は元気に返事をした。それだけ、講師の作ったドリンクは、集まった子供達にとって魅力的だった。 「じゃあ、順番に!」  その後、講師は手慣れた様子でベースとなるドリンクを作っては子供に渡した。講師は、出来上がったドリンクをスマホ撮影しては子供達に感想を伝え、スプーンとストローを手渡していった。子供達は、ドリンクを作った順に席に戻ると、自分で作った完成品を眺めてからそれを味わった。 「飾り付けのバランスも凄いが、綺麗な色だな」  講師は、少年の作ったドリンクを撮影しながら伝えた。すると、少年の表情には警戒色が浮かぶ。 「……自分を卑下することに価値はねえぞ?」  他の子供達には聞こえない様に言い、講師は少年にスプーンとストローを渡した。一方、少年は何も言わずに席に戻る。
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