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罪に応じた裁きはなんぞや?
少年が病院で治療を受けている間に、彼に関わった大人達が密かに動いていた。例えこの少年が回復したとしても、親権を持つ者達へ戻すことは危険でしかない。かと言って、赤の他人が訴えただけで親権を剥奪するのは難しい。この為、親権を持つ者達の存在を消すことが必要だった。その為に、ある大人が親権所持者達を確保した。
人目が少なく、監視カメラの死角を熟知している断罪人は、手慣れた様子で親権所持者の一人の意識を奪った。その後、持ち運び易い袋に意識を失った者を詰め込むと、断罪人は監視カメラの設置されていない道を通って移動をした。
断罪人は、親権所持者を金属製の椅子に拘束した。その椅子は、数センチは太さのあるボルトで床に固定され、簡単に動かすことは出来ない。また、椅子に備えられた拘束具も、人間の力だけでは到底破壊の出来ない素材で作られていた。
断罪人は、罪人の口に枷をはめた。それから、罪人の顔を隠す用に黒い袋を上から被せる。この時、罪人は目を覚ました様子で体を動かすが、既にその自由は奪われていた。
椅子以外の家具が無いその部屋は、床がコンクリートで作られている様だった。また、罪人の正面には、撮影用のカメラが用意されている。そのカメラの位置も固定されており、普段からそれらを用いた撮影が行われていることを窺わせた。
断罪人は、汚れの落ちやすい服を身に纏い、顔をお面で隠した。そのお面は個人の特定を避けるだけでなく、奇妙な恐怖を増長させるのには効果的であった。
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