あの頃

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あの頃

窓側の机に向かうあなた。 カーテン越しに新緑が見え隠れする スラスラとペンを走らせるあなた。 私は、あなたの その後姿が好き。 ペンを走らせるあなたが好き。 廊下の扉の前で互いに頭をさげて、 互いの名前を知ったあの日、 ぼさぼさ髪にヨレヨレのジャージ イケメンの顔が台無しだよ。 受賞を知らせる電話、 ふたりで抱き合って喜んだ。 表彰式 ぎこちないスーツ姿だったけど イケメンだから……まあ、いいか。 彼女はあの夏のことを思い出す。 夏の終わり、 彼は彼女にそっと伝えた。 そう……自分の『想いを……』
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