4 デート?

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榊は優しい気持ちで美也を見つめる。 腕の中から突如いなくなってしまった存在。今世こそは幸せになってほしいと、ずっと見守ってきた。 なぜ瘴気に取り込まれたのか、巫女はどういう最期を遂げたのか、わからないことはたくさんある。 だが美也の中に巫女を求めようとは思わない。ただ、巫女という過去世を持った美也を、これからも―― 「美也、愛してる。美也がいてくれたら俺も幸せだから、傍にいてほしい」 「っっ、は、はい……」 恥ずかしそうに赤くなるこの子を、二度と手放さない。 今すぐ手元に迎えることが無理でも、これからは自分が彼女を幸せにしていく。 美也が慌てたように体を離して、榊を見上げた。キッとした、凛々しい顔で。 「でもですね、榊さん。『お前は幸せになる』って言ってもらってるので私はそうなることを確信してますけど、私が幸せなことばっかしてもしょうがいないですからね? ちゃんと――二人で幸せになりましょう」 凛々しい様子から一変、ふわりと美也から聞こえたあの言葉。 その言葉に、榊には笑みが浮かんだ。 約束を。 あの日交わして、果たされなかった約束を叶えていく。 美也が幼いあの日に約束したことを、叶えていく。 ――榊と美也の、あの日の約束。
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