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「そんなに?」 「そやで。それで、オマエ、チバに卓治さんて人がいるから、その人に面倒見て貰えって、オジサンオバサンに言われてな。 オバサン学校行って、先生に、『美咲はチバの親類のトコに引っ越すことになりましたんやわ』とか言ってくれて、また転校の手続きとってん」 「そっかー。それは酷いなぁ」 里子さんトコの兄弟もヤンチャなのは、なんとなく判る。 それに、自分らのテリトリーに他人が入って来て、気にくわないというのもあろう。 イヤ、子供同士の確執だけではない。 オジオバとも美咲本人には言えないが、当然迷惑がってはいたのだろう。 (そーゆー事情なら仕方ないな。 行くトコも無い訳だし、取り敢えずはオレが引き取ろう。 その後どうするか考えていこう) 卓治は自分に言い聞かせ、不憫な目を美咲に向けながら、軽く頷いた。
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