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大阪というワードと発音に、違和感を感じたのだろう。 「えーっとネ、御陵さんの席は、1番後ろの、長谷川タカコさんの隣が空いているから、あそこ座って」 先生が指さした席は、確かに空いていた。 「ハイ、判りました」 美咲が机の間を、席へ向かってツカツカと歩いていると、左席にいた男の子が、スッと 美咲の前に足を出した。 彼女は気付かず、その足に引っ掛かり、前方へズデンとコケた。 その勢いでランドセルが開き、中の教科書がドバドバと美咲の前に散らばった。 一瞬皆の目はソコにいったが、何が起こったのか判らず、ア然としていた。 南は急いで寄って来て 「御陵さん大丈夫?」 と、後ろから心配そうに声をかけた。 その彼女に美咲は振り向き 「あ、全然大丈夫です」 と、ワザと平気そうな笑顔で対応した。 そして立ち上がり、手を払うと、足を出した男子を一瞬ギロっと睨むと 「やったんオマエやな」 と呟いた。 男子は、そう来るとは思って無かったみたいで、ドキっとした表情をみせたが、そしらぬフリをし、顔をそむけた。 散らばった教科書をランドセルに詰め込むと、美咲は指定された席に着席した。 「御陵美咲や。よろしくな〜」 美咲が隣の女子にニコやかに笑顔を向けると 「私、長谷川タカコ。宜しくね」 タカコもニコリとした。 そして 「大丈夫?ケガとかしてない?」 と心配そうに美咲の体を見つめた。 「大丈夫大丈夫。ウチ、コケるの慣れてるから」 美咲は訳の判らないことを言い 「所で、アソコ座ってるアイツ、名前何?どーゆーヤツなん?」 と、足を出した男子を指差した。
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