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職員室に2人を連れて入ると、席に座っていた南先生が古家に 「どうしたんですか?」 と曇顔で寄って来た。 「この2人がケンカをしてたんですよ」 古家が、呆れた表情で言った。 「ケンカ?」 南はいつもより少し高い声で驚き、下を向いて立っている2人を交互に見た。 「殴り合いですよ」 クチビル古家がシレーっと言うと 「えー!殴り合いって……どうしてそんなことを……御陵さん大丈夫?」 南は少しかがみ、美咲の顔を覗き込んだ。 「ウチは全然平気ですが…」 美咲は下を向きなが、顔を少し、横の翔の方へ向けた。 それにつられ、南も翔に目をやる。 彼の少し、膨れあがった頬を見て 「まあ!」 南は当惑し 「どうしたの?何があったの?」 と2人に聞いた。 「オマエが説明せー」 美咲が小声て翔に振った。 翔は一瞬、ムッとしたが 「朝、彼女が横を通る時、ボク、ワザと足を出して、コケさせたんです」 と言った。 「えーっ!」 南は怪訝そうに、今度は翔の顔を除き込み、彼の肩に手をかけ 「ねぇ、そういうことしたらダメだってコト、判るよね。彼女、ケガでもしたらどうするの?」 と言ったが、見た目、翔の方がダメージが大きいのは判った。 (どういうコト?) 南は首を傾げた。 「三山君、転校生ってサ、ただでさえ不安なの。新しい学校で、だーれも知らない訳でしょ。友達出来るかな?とか、上手く学校生活送れるかなーとか。 そう言う相手の気持ちを考えてあげなくちゃ。だから仲良くして、声をかけてあげる。ネ゙、そうでしょ」 「ハイ、そうです」 翔は相変わらず、うつむきながら、微かに返事をした。
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