1人が本棚に入れています
本棚に追加
美咲は卓治に目を合わせることなく、モグモグ食いながら答えた。
そして
「卓ちゃん、山ノ口南先生のこと、どう思た?」
「どうって、何が?」
「べっぴんさんやろ。先生」
「そうだな、キレイな人だと思う」
「独身らしいで」
美咲意味深な笑み。
「それがどうした?」
「卓ちゃん、勤め先に、エエ人おんの」
「そんな人居ないよ」
「そやったら、南先生、イチオシするわ」
「なんだよイチオシって」
卓治、呆れ顔。
「今日、卓ちゃんと喋ってる時、先生、ちょっと、乙女やったやろ?気付かんかった?」
「イヤイヤ、初対面で、乙女とか判らないよ。普段知らないし。しかも乙女ってどういう意味?」
「ウチが思うに、先生、卓ちゃんに気がある思うねんな」
「だって今日、チョコっと話しただけだぞ。全く〜、オマエ、マセてんなぁ」
卓治は少し声を荒げ、苦笑した。
「ウチの感は当たるんやって」
強く言い放った彼女には、卓治も呆れてしまったが、恋愛ネタには興味はあるらしい。
「あー、そやそや。今日な、プリントもろてん。家庭訪問の日、決めてくれやて。
ご飯食べ終わったらプリント渡すわ」
美咲は今気付いたように言った。
最初のコメントを投稿しよう!