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美咲は卓治に目を合わせることなく、モグモグ食いながら答えた。 そして 「卓ちゃん、山ノ口南先生のこと、どう思た?」 「どうって、何が?」 「べっぴんさんやろ。先生」 「そうだな、キレイな人だと思う」 「独身らしいで」 美咲意味深な笑み。 「それがどうした?」 「卓ちゃん、勤め先に、エエ人おんの」 「そんな人居ないよ」 「そやったら、南先生、イチオシするわ」 「なんだよイチオシって」 卓治、呆れ顔。 「今日、卓ちゃんと喋ってる時、先生、ちょっと、乙女やったやろ?気付かんかった?」 「イヤイヤ、初対面で、乙女とか判らないよ。普段知らないし。しかも乙女ってどういう意味?」 「ウチが思うに、先生、卓ちゃんに気がある思うねんな」 「だって今日、チョコっと話しただけだぞ。全く〜、オマエ、マセてんなぁ」 卓治は少し声を荒げ、苦笑した。 「ウチの感は当たるんやって」 強く言い放った彼女には、卓治も呆れてしまったが、恋愛ネタには興味はあるらしい。 「あー、そやそや。今日な、プリントもろてん。家庭訪問の日、決めてくれやて。 ご飯食べ終わったらプリント渡すわ」 美咲は今気付いたように言った。
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