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今までいろんな高校生を見てきたけれど、こんな高校生は初めてだ。
「ですから、教習に関係ないことはお答えできませんので。申し訳ありません。」
──なんであんたなんかに名前教えなきゃなんないのよ。
しつこい彼の言動に心の中で呟きながらあたしは再び同じ文句であしらった。
「そっかぁ。残念…。」
唇を尖らせ、ガッカリした表情を浮かべた彼はようやくカウンターから身を引く。
その姿を見て胸を撫で下ろしたのも束の間。
「あ、ちなみに俺、末永郁哉。よろしく。」
再び身を乗り出してきた彼は無邪気な笑顔を見せて、自分の名前を名乗った。
「……──。」
──誰もあんたの名前なんか訊いてないわよ。
そんなことを思ったくせに、不覚にも彼の可愛らしい笑顔に目を奪われたのだけれど。
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