10月①

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『別れて欲しい』 1年ほど付き合っていた彼氏に先月そう告げられたあたし。 しかも、よくよく話を聞いたら半年も二股をかけられていたことが判明したのだから、最悪だ。 自分の見る目のなさにガッカリした。   それなりに彼を好きだったし、別れを告げられショックだったけれど、縋り付いても仕方がないと、現実を受け入れた。 以来、紗季さんの言う通りあたしは彼氏募集中のフリーの身ではあるけれど。 高校生と恋愛だなんて、そんなのしたいとも思わないし、考えたこともない。 「どんなに彼氏欲しくても、高校生はありえないです。」 「そぉ?あたしは全然オッケーだけどな~」 妖しげに笑い、そう話す紗季さんはあたしより4つ上。 それなのに高校生もオッケーだなんて、彼女の許容範囲は何歳からなのだろうか。 「あ…、」 突然、思い立ったかのように顔を上げ、手を止めた紗季さんに思わず視線を向けた。 「どうかしたんですか?」
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