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紗季さんの綺麗な横顔をじっと見つめれば、紗季さんもあたしの方に顔を向ける。
「さっきの高校生くん、金沢の名前訊いてたけどさ、いずれ彼に金沢の名前バレるよ。」
「え…?」
唐突な紗季さんの発言に自然と眉間に皺が寄る。
「だって、ほらあそこ。」
紗季さんの人差し指がどこかを差していて、あたしはその方向に目を向けた。
目に入ったのは、正面玄関の横にある掲示板。
その掲示板を見てハッとする。
「あそこにスタッフ紹介って、うちらの名前と顔写真貼ってあるし。」
紗季さんが丁寧に説明してくれたけれど、あの掲示板を見付けた時点でその説明は不要だった。
「彼があれに気付くのは、時間の問題ね。」
チラッとあたしの方を見てからクスッと笑い、再び手を動かし始めた紗季さん。
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