リーザの発見と竜の子守歌編 3 大地を噛み締め、龍への子守唄

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リーザの発見と竜の子守歌編 3 大地を噛み締め、龍への子守唄

 アダマスが提案した。 「そうだ、リーザ。龍を眠らせてくれ!」 「どうやって」 「魔歌に竜の子守歌があるだろう? あれは竜眠らせる為のものだからな」  リーザが言う。 「ダメよ」 「まさか、竜の子守歌を知らないのか?」 「知っているし、(うた)えるわ。でも駄目なの」  アダマスは理由を聞いた。 「何で?」 「私、最近発見したのよ」 「何を?」 「地面に足をつけないと、魔歌は(うた)えないの」  アダマスは、その情報は初耳だった。 「え! そうだったの? 先生は知っていたか?」 「初めて聞く話しだよ。それは本当かい?」 「本当よ」    アダマスが先生に懇願した。 「じゃ先生が竜をなんとかしてくれよ。先生は、有名な魔法使いだろう? 大魔法使いは、時間竜を退治出来るんだろう?」  先生がキレる。 「馬鹿言っているんじゃないよ。竜を何だと思っているんだい。保護獣だよ。あれを退治したら、私は牢屋にぶちこまれってしまうよ」 「じゃどうするんだよ。いつまでも竜から逃げていられないぞ!」  先生がリーザに聞く。  「地面があれば良いんだろう?」  リーザが頷く。    先生が、進行方向の雲に向かって魔方陣を作り、魔法陣を飛ばした。  魔法陣は小型の雲に衝突した。  雲がもくもくと姿を変える。  リーザが言う。  「先生、雲が地面になりました」  「そうだよ。雲が、空に浮かぶ島になったんだ」  アダマスが目を丸くして言う。  「そんな事ができるのか? だからたまに空を移動する島があったのか……。魔法使いが作っていたのか」  先生は自慢げだ。  「だからって、どの魔法使いも、雲を島に変えられる訳じゃないさ」  「誰なら変えられるのですか?」  「私のような、大魔法使いだけだよ」  リーザは感心しきりだ。  「先生はやっぱりすごいんですね」  先生が自慢した。  「私は偉大な魔法使いなのさ」  雲から島になった小さな浮島が、どんどんリーザたちに近づいて来た。  先生が言う。  「さぁ、もうすぐ島に着く。浮島の側に付いたら、飛び乗るよ。島に飛び乗ったら、リーザは竜の子守歌を(うた)うんだ」  すぐに浮島の側に到達し、リーザたちは浮島に飛び乗る。  そして、リーザは、島の上で足を踏ん張って、大地のエネルギーを体に吸い込んだ。  リーザは、エネルギーを、体いっぱいに、吸い込むだけ吸い込んで。  それから、今度は放出を始める。    リーザは、大地のエネルギーを、天のエネルギーに変換しながら、魔歌にのせて放出する。  すると、リーザたちを追いついて、浮島側までやって来た竜が言う。  「魔歌を(うた)うのは止めてれ。まさか魔歌を(うた)える者が、この付近にいるなんて思ってもいなかった」
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