リーザの発見と竜の子守歌編 8 竜目覚める

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リーザの発見と竜の子守歌編 8 竜目覚める

 リーザが、持参していた薬湯を、寝ている竜の口に注ぐ。  薬湯を寝ながら飲んで、竜が唸る。  「ぬぬぬぬぬぬぬぬ」  それから竜が薄目を開けて言う。  「薬湯かぁ。久しぶりに飲む。私の竜使いが死んでしまって以来だ」  それから、竜は上半身を起こし、当たりを見回した。  竜がリーザに気がつく。  「お前が、私に薬湯を飲ませたのか?」  「ええそうです」    竜がうんうんと頷いた。  「そうか。では今後のわたしの世話は、お前にさせてやる」  「え? 世話をさせてやる? え? どう言うことですか?」  「私の世話をする竜使いは、だいぶ前に死んだんだ。それから私の竜使いはいなくなった。代わりが見つからないんだ。だからしょうがない、お前を新しい私の世話係にさせてやろう」  リーザは拒否した。 「世話係なんて……、これ以上私は仕事を増やせないわ。先生に言われている仕事が、山の様にあるんですもの。無理よ」  竜は引かない。 「無理でもやってもらう」  すると、リーザの影からアダマスが出てくる。  「おい、竜。お前図々しいぞ。何を言っているんだ」  「あ、宝石の妖精ではないか。美味そうだな」  そう言われて、流石のアダモスもビビる。    リーザが竜に言う。  「この子は、アダマスと言うの。アダマスは私の使役妖精なの。この子を、竜さんに食べられたら、私は使役妖精がいなくなるし。私の力では、この先いつ別の妖精が、使役できるか分からないの。だからアダマスは、食べないでほしいの」  紫の揺れる瞳で、リーザは竜を見つめる。  竜はじっと、リーザの惑わしの瞳を見つめた。    竜はリーザに、根負けして言う。  「仕方ない。こいつは食べない。しかしその代わり、リーザは私の面倒をみろ」  リーザは仕方なく言う。  「わかったわ」  
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